開発援助の現場から第1回 マラウイ:給水事業
2003/05/04
後藤典子(GLMi会員)
でこぼこ道に揺られながら村を訪問すると、いろいろな光景に出会います。大歓声を上げながら、駈け寄って出迎えてくれる子どもたち。ボロボロの服を着ていますが目が輝いています。乳飲み子を背負って農作業中の母親たち。親切にも手を休めて挨拶をしてくれます。白やピンクのコスモスが咲き乱れる高地。バケツを頭に乗せて水を運ぶ親子の姿が花々の間から見え隠れします。一見笑顔に溢れた村々、しかし、それぞれの村が、深刻な問題をかかえています。アフリカ大陸の南東部に位置する内陸国マラウイでは、平均寿命が近年40歳をきり、身近な人たちの死はごくあたりまえです。
例えば、車を走らせていると、木の枝が道を横切る様に一列に並べられているのを頻繁に目にします。お葬式が行われているという印です。死因は色々挙げられますが、清潔な飲み水が確保できない状況も強く影響しています。井戸の維持管理を住民自身で行っていく為の啓発活動と衛生教育が推進されたおかげで、去年井戸を掘った村では下痢疾患が無くなったとの報告がありました。乳幼児の死亡が、少なくなることが期待されます。アフリカのあたたかいハート(Warm heart of Africa)とよばれるマラウイ。その名のように、人懐っこく、心の暖かい人々の生活が改善され、誰もが長生きできるような、そんな日がもうすぐ来る事を心から願っています。