第1回国際協力塾セミナーのご報告
2009/08/11
ジーエルエム・インスティチュート(GLMi)は、新たなキャッチフレーズである「国際協力塾」の名の下、2009年6月7日に53名の参加者を集め、第1回国際協力塾セミナー「新・住民参加型プロジェクト 開発のプロに挑戦!塾生参加型セミナー」をJICA地球ひろばにて開催しました。1 年次フィリピンプロジェクトのマネージャーを務めた相馬真紀子NGO 専門調査員、GLMi の会員である高野憲一氏、そして外務省より青山健郎首席事務官(当時)を迎え、多数の参加者と共に参加型開発についての議論を深めました。1時間目、2時間目といったスタイル、参加者を「塾生」と呼ぶなど、全てを「塾」形式で行うことで参加者に国際協力塾の一員として議論や発表に参加していただく環境づくりに努めました。
1時間目:青山氏の基調講演
1時間目では外務省の青山健郎氏に外務省とNGO の連携について話をしていただきました。世界のNGOの紹介や日本とアメリカのNGO の違い、NGO の平和構築分野での活躍などをわかりやすく説明いただき、NGO への理解の深い青山氏に塾生は皆真剣に聞き入っていました。
2時間目:「参加型」に関する講義
2時間目ではGLMi でNGO 専門調査員として活躍中の相馬真紀子氏、林野庁の高野憲一会員によりGLMi、JICAそれぞれの住民参加型森林プロジェクトについて参加型のモデル説明がされました。それぞれのプロジェクトの概要やどのような「参加型」を取っているのかなど、写真を交えながらその後の議論のポイントとなる話を織り込み発表して頂き、塾生のやる気が高まっていきました。
3,4時間目:グループディスカッションと発表
3時間目、3時間目は4グループに分かれ、ディスカッションと発表を行いました。ファシリテーターに、2時間目で発表した高野会員、相馬調査員に加え、GLMi 西野桂子代表理事、武田直子理事を迎え、「パートナーシップとは」「コミュニティとは何か」「住民に対価を支払うべきか」など、国際協力の基本的なことから専門家の間でも議論されることまで様々なテーマに基づき議論しました。それぞれのグループは非常に活発に議論を行い、1 時間があっという間に過ぎていきました。それぞれのグループで議論した内容を発表し全体で共有した後、青山氏、高野氏、相馬氏、また各グループの中の国際協力経験者の方々にコメントを頂き、第1回国際協力塾は成功裏に幕を閉じました。
その後は懇親会を行い、JICA 地球ひろばカフェのエスニック料理を楽しみながら参加者や発表者らが交流しました。経験者、学生、若手社会人などさまざまなバックグラウンドを持った「塾生」や今回の発表者である青山氏、高野氏、相馬氏、GLMi の西野代表理事、武田理事らがみなその枠を超えてざっくばらんに語らっており、こうした場でそれぞれが刺激を得ることができたのではないかと思います。
参加者の声
本セミナーには大学1年生から専門家として開発途上国で働いた経験を持つ方まで、32名の学生、21名の社会人(うち8名の経験者)が塾生として参加してくださいました。
参加者の感想(アンケートより)
「コミュニティとは何か?」国際協力塾のグループディスカッションで、そんな難問に向き合った。答えの見えない永遠の問いに、学生も社会人も、国際協力の経験のある人もこれから羽ばたく人も、思い思いの考えをもって、幅広い視点から熱く意見を交わす。そのような時間を過ごすことで、国際協力とは「みんなに共通」の問いであり、誰もが考えていくべき地球の課題なのだということに改めて気付かされた。初めての国際協力塾は、「いつか国際協力に携わりたい」という社会人のタマゴのわたしの背中を押してくれる、実り多い時間となった。
まず、国際協力塾に参加した理由については、「国際協力を勉強しているから」「国際協力に興味のある人と出会えるから」という意見が半数以上を得、「国際協力塾」の名の通り国際協力を勉強している人の参加が多く、またディスカッションや懇親会で参加者が交流する機会を多く提供したことで参加者に満足していただけたようです。
面白かったプログラムとしては万遍なく票が入りましたが、中でもディスカッションをあげる人が多く様々な立場の人たちが垣根を越えて議論することが新鮮だったようです。議論の前に青山氏、高野氏、相馬氏に発表をしていただいたことも参加型の理解を深める助けとなり、高い評価を得られました。
次回も参加したいという意見が多数を占め、結果として塾生には大変満足していただけたようです。ディスカッション時間が足りなかったという意見や、教育や平和構築、エイズなど様々な分野をテーマに塾を開催して欲しいといった意見もあり、次回以降の国際協力塾への塾生の期待も高いことがわかりました。